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Channel Fireballより、前回のトム・マーテル(Tom Martell)による黒青緑コントロールに引き続き、プロツアー二クスへの旅を制した、パトリック・チャピンの緑黒白ミッドレンジの解説記事です。
しかもデッキ解説はカイ・ブッディです。

一部省略、意訳を含んでいますので、是非原文も見てみて下さい。

 
このデッキ使用者と成績:パトリック・チャピン(Patrick Chapin) 優勝

ブロック構築に取り掛かるにあたって、まず試したのは単色デッキだった。
赤単と黒単のビートダウンはどちらも強かった。
白も悪くないがそこまででもなく、青はタッサと波使いを活用できるだけの信心パーツが足りなかった。
最後に森の女人像とクルフィックスの狩猟者を要する緑だが、これらは多色で使った方が良さそうだったので、黒緑で組んでみることにした。

信者の沈黙card
英雄の破滅と思考囲いは言うまでも無く、信者の沈黙もこの環境では非常に強いことがすぐに判明した。
授与/ヒロイック戦略をシャットダウンするだけでなく、後半はアドバンテージを取ることができる。
特にポルクラノスや嵐の息吹のドラゴンに対処できるのは大きかった。

悲哀まみれcard
デッキの骨組みは出来たがこの色にはフィニッシャーが不足していた。
黒除去が多く使われることが分かっていたので、ポルクラノスや高木の巨人は頼りない。
赤を足して、プレインズウォーカーのゼナゴスとドラゴンを足すことも検討した。
しかし既に黒を使っていたので、赤の除去は必要なかったし、森の女人像を考えると、神々の憤怒よりも悲哀まみれの方がこのデッキには合っていた。
 
倒れし神の宴
倒れし神の宴も可能性があったが、これをプレイするためにはマナ加速が必要になるだろう。
加速カードも弱くはないが、女人像以外は自分の悲哀まみれで死んでしまうので、魅力的ではなかった。
MOのメタも混沌として読みづらかったので、この戦略を取るのは危険に思われた。

太陽の勇者、エルズペス
マナ加速戦略も駄目だとなると、白を足して、環境最強カード、エルズペスを採用するのが良いように思えた。
カードパワーが明らかに飛びぬけているし、自身で守ることができるので、数ターン生き残るだけで勝ててしまう。
また白を足すことによって2体の強力クリーチャー、羊毛鬣のライオンとオレスコスの王、ブリマーズも使うことができる。
早いターンのブリマーズは強力なクロックで、赤の除去や胆汁病に耐えられるタフネスも魅力的だ。
 
羊毛鬣のライオン
羊毛鬣のライオンはそこまで強く無いが、怪物化能力は見逃せない。
4/4呪禁・破壊不能は強力だが、残念なことにエルズペストークンに止められてしまう。
これが緑白ビートが存在出来ない理由でもある。
しかし英雄の破滅、思考囲い、そして自分のエルズペスがあれば、エルズペス合戦で勝つことも難しくないだろう。

神討ち
赤と比較して、白はサイドカードの選択肢も充実している。
神討ちは、倒れた者からの力を使った黒緑墓地活用デッキに非常に有効だ。
特に狩猟の神、ナイレアは厄介で、トランプルを持った適当なクリーチャーを強化するだけでエルズペスを破壊されてしまう。
その可能性をシャットダウンできるのは大きな利点だ。
サム・ブラック(Sam Black)はトランプルするために、サイドボードに定命の者の大敵まで入れていたほどだ。

払拭の光
払拭の光を入れられることも利点と言えるだろう。
黒除去と比較して、エンチャント破壊の多い環境では信頼性に劣るが、あらゆるパーマネントに対処できるのは評価できる。

異端の輝き
異端の輝きは純粋なサイドカードで、エルズペスにも白黒ヒロイックのブリマーズ相手に活躍する。
以上見てきたように、緑黒白は、安定したマナベース、軽くて確実な除去、信頼性のあるクリーチャー、そして最強のプレインズウォーカーを使うことができる。

マナベース

4:《マナの合流点/Mana Confluence》
4:《豊潤の神殿/Temple of Plenty》
4:《疾病の神殿/Temple of Malady》
4:《静寂の神殿/Temple of Silence》
4:《森/Forest》
2:《平地/Plains》
3:《沼/Swamp》
4:《森の女人像/Sylvan Caryatid》

4枚のマナの合流点は、3ターン目にダブルシンボルのカードをプレイしたいので採用する必要があった。
16枚の緑と、女人像も含めれば白と黒は19枚、さらに狩猟者と12枚の占術土地も考えると、充分に安定したマナベースだと言えるだろう。

アタッカー

4:《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》
4:《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos》
4:《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
2:《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》
4:《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's Champion》

厳密に言うとエルズペスは含まれないが、入れてしまっても間違いではないだろう。
大抵のデッキに12枚のタップイン土地が入っている環境では、ライオン、ブリマーズと続けることが出来ればそれだけで勝つことが出来る。
さらにポルクラノスとエルズペスのバックアップが加われれば十分だろう。
少し枚数が足りない気もするが、除去を見てもらえればその不安も無くなると思う。

除去/妨害手段

3:《思考囲い/Thoughtseize》
4:《英雄の破滅/Hero's Downfall》
4:《信者の沈黙/Silence the Believers》
1:《払拭の光/Banishing Light》
1:《骨読み/Read the Bones》

思考囲いは遅いこの環境でプレッシャーとして活躍する。
単色ビートダウン以外が1ターン目にスペルをプレイすることは殆どないからだ。
1ターン目に打って対戦相手の女人像を落とせると相手のスピードをかなり削ぐことが出来る。
もちろんブリマーズやエルズペスを守るために使っても良い。
英雄の破滅の強さは見ての通りなので、信者の沈黙の強さについて説明しよう。
ビートは授与を使い、残りはコントロールという環境でこのカードは絶対に4枚入れるべきだ。
MOで1,2枚入れているリストがあるが私には信じられない。
至高の評決があるスタンダードでは同じように活躍することは無いが、ブロック構築では最強のカードだ。

最後に9枚目の除去として払拭の光を採用した。5枚目の破滅や沈黙としては劣るがエルズペスに対処できるのが良い。

サイドボード

2:《異端の輝き/Glare of Heresy》
2:《神討ち/Deicide》
2:《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
1:《骨読み/Read the Bones》
1:《思考囲い/Thoughtseize》
1:《胆汁病/Bile Blight》
1:《夢の饗宴/Feast of Dreams》
2:《加護のサテュロス/Boon Satyr》
2:《高木の巨人/Arbor Colossus》
1:《神々の思し召し/Gods Willing》

異端の輝きと神討ちについては既に述べたとおりだ。
悲哀まみれ、夢の饗宴、胆汁病はアグロ対策だ。
個人的には早いビートを意識して、胆汁病よりも3枚目の悲哀まみれを入れたかったがチームの結論としてはこうなっている。

このデッキの唯一の欠点は飛行対策だ。
残念ながら予知するスフィンクスがまさしく弱点ということになる。
スフィンクスが環境に溢れるようであれば厳しい戦いになるが、それ以外のデッキには有利に戦えるだろう!

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